第11回「『モノ』を言う‼闘う若手司法書士の進言」

 第10回目に引き続き、小泉元総理の改革の影響に注目して話したいと思います。自分が総裁を務める党の選挙基盤をぶっ壊し、「裁判員制度」も採り入れ、もちろん「信託法」もそうですが、「信託法」の前に「一般社団、財団法人法」に触れたいと思います。

「信託法」よりも「一般社団、財団法人法」の方が、ある意味、革命的なことのように

思います。かつての日本の社会では、表現が失礼にあたることは、ご容赦頂き、普通の人は、法人を普通に設立することは、ほぼ不可能なことでした。

なぜかと申しますと、「株式会社」を設立するには、煩雑な手続きと最低、資本金1000万円が必要でしたし、「有限会社」も資本金300万円、会社の名前もご自身の会社でありながら、厳しい制約が法律にあり、会社の目的も記載できるもの、ダメなものとあり、専門家に依頼しないと、会社の設立はかなりのハードルが高いことでした。「合名会社」や「合資会社」という人的会社の設立もできましたが、会社と経営者が運命共同体でしたし、銀行等の金融機関に見下される様な時代でした。一時期、同窓会や趣味の集まりの団体で法人格をと言われ、「中間有限責任法人」「中間無限責任法人」などがありましたが、「一般社団、財団法人法」が誕生する前に法律としては、なくなった様に思います。

いよいよ「一般社団、財団法人法」です。以前、「社団法人」「財団法人」と言われた法人は、専門家の間では「民法法人」と呼ばれておりました。民法に規定があったからです。その「社団法人」「財団法人」ですが、「許可主義」といいまして、主務官庁の許可がないと設立できませんでした。「許可」がいるので、原則は、設立は禁止。お国が「良し」と言わないと、法人が設立できませんでした。よって、各省庁の天下り先として、社団法人、財団法人が作られました。(当然のことですよね、自分がすることに、自分で反対することは考えられないですから。)この法人こそが天下り先として、小泉構造改革で淘汰され、かつての社団法人は、現在は「公益社団法人」と呼ばれています。

「一般社団、財団法人」は、営利目的でも、非営利でも特に規制はありません。定款を公証人に認証してもらうぐらいで、社員は2名いれば、設立が可能です。かつては、一部の人しか設立が困難だった法人が真に「一般的」に設立できるのです。面白いことに、設立した人が法人のオーナーかというと、一般社団、財団法人には、オーナー所有者が存在しません。

これも日本の法律の発想になかったものだと思います。税法はきちんと整備されているので、悪用は、もちろんできませんよ!

この発想は、信託法にも共通しているように思います。