未来信託の概要
私たちが「未来信託」という名前に込めた想い。
平成19年に信託法が改正され、それまでは我が国では信託銀行や信託会社がほぼ独占しており、一般市民には縁が薄かった「信託」という仕組みが、アメリカやイギリスのように「信頼できる人と人との間で結ばれる信託」として、誰でもが気軽に使えるような制度に変わりました。こうした信頼関係のもとで行われる、商事以外の信託のことを、商事⇔民事ということで「民事信託」と呼んだり、海外で呼ばれているファミリートラストを直訳して「家族信託®」と表現されることもあります。
こうした信頼関係に基づく信託は、まだまだ一般の人たちに概念や利用の仕方が理解されておらず、そのためせっかく法改正がなされたにも関わらず、あまり利用されていないのが現状です。そこで私たちは、家族のみには限定されない信頼関係と愛情に基づく信託の本質をわかりやすくお伝えするために、商事以外の信託を「未来信託」と名付けました。「親愛」とは、人に対して深い親しみと愛情をもっていることを表す言葉です。人と人との信頼関係に基づく信託は商事信託と異なり、こうした親愛の情がベースにあってこそ成り立つものです。私たちは信頼と愛情に基づく信託をサポートしたいと考え、「民事信託」「家族信託®」ではなく「未来信託」と呼んでいるのです。
未来信託のしくみ
「未来信託」とは、財産を所有している人が「委託者」となり、信頼できる親族や知人、あるいは身内で設立した一般社団法人などの「受託者」に、信託契約をもって名義のみを変更して、管理・運営してもらうしくみです。信託された財産から利益を受け取る権利は受益者にあり、通常は委託者自身が存命中は受益者となって、従前通り財産に対する権利を持ち続けますので、名義は変わっても贈与税の課税はありません。また、信託は契約だけに限らず、遺言でもって信託を組成する「遺言信託」(信託銀行の商品名となっている遺言信託とは全く別の仕組みです)や、自らが受託者となる「自己信託」なども可能となっており、あらゆる人があらゆる局面で活用できる制度となっています。
<しくみのメリット>
未来信託の用途
未来信託は財産・資産・事業に関する様々なお悩みを解決します
〈対象となる悩みの例〉
①会社を経営していて、後継者のことや会社の将来のことが心配。
②将来認知症になって、お金や不動産の管理、会社経営ができなくなったらどうしよう・・・
③私がいなくなったあとの家族やペットが心配・・・
④どうしても財産を渡したくない人がいる。将来、財産のことでもめないか心配・・・
⑤後継者に経営資産を集中したい。
⑥不動産や株式など様々な財産があるけど、どうしたらいいかわからない・・・
⑦守りたい財産がある。自分の思った通りの方法で財産を管理し、思った人に承継させたい。
未来信託の活用例
①認知症発症前に未来信託契約を結ぶことで、認知症発症後も受託者による資産の管理や運用ができ、会社の運営や財産管理に支障をきたすことを防ぐ。
②民法上の相続とは関係のない自由な資産承継対策が可能。中小企業オーナーの場合には経営資産を後継者に集中するにも有効な対策。
③共有名義になった不動産や分散した株式の名義を、課税されることなく一本化することが可能。
④自社株式の名義のみを後継者に変更する信託を設計すれば、課税されることなく後継者に議決権を承継することが可能。
⑤障がい者の養育や、自身の永代供養、またペットを飼育するなどのための財産を信託することで、本人死亡後も施設や寺院、里親への費用の支払いが可能。