第9回「『モノ』を言う‼闘う若手司法書士の進言」

第6回で専門家の「タブー」に触れると予告させて頂きました。今回は我々、専門家の「タブー」に触れたいと思います。

今や、お笑い芸人さんまでとは、失礼な表現で容赦頂きたいのですが、「コンプライアンス」を問われる時代になりました。昭和の芸人さんは、「遊びも芸の肥やしだ‼」と世の中で許容の範囲内であったのですが、令和の時代においては、芸人生命を奪われる大失態になってしまします。我々、法律専門家も「倫理研修」の受講が必須になり、「コンプライアンス」重視を言われる様になりました。「コンプライアンス」は、日本語で「法令遵守」です。

「法令遵守」までは言わなくとも、どの世界にも悪しき慣習、真に触れてはならない「タブー」が今でも存在します。

私が事務所を開業して、それを多々、目の当たりにしてきました。こんな事を未だにまかり通ってしまうのだから、世間で「士業の危機、崩壊」と揶揄されるのだと痛感した出来事を述べたいと思います。

①権力を利用しようとする税理士

私が事務所の開業当初、業務提携をお願いして来たOS税理士法人がいました。(以下、「S税理士法人」と言います。)S税理士法人は、S税理士法人の法務について顧問契約をして、私の事務所の経理を担当するという事で、相互の契約しました。開業したての私には、

関西で合格して、岡山に久々に戻ってきたので、開業しても知り合いもほぼゼロでしたし、

有難い話でした。幾分か商業登記や法務相談のご依頼も頂き、上手く関係もいっていました。

あるM&Aの業務で、ご依頼者の法人の登記簿謄本を取得しました。そこには、「会計参与」という役職で「税理士Y」と登記されていました。「税理士Y」とは、現在の「S税理士法人」の代表社員の方で法人になる前に「会計参与」に就任された様でした。

ご存知の方もおられると思いますが、商業登記には、登記事項に変更があれば、変更登記をしなければならない「義務」が存在します。登記期間があり、その期間を過ぎると「過料」という行政罰が科せられます。よって、私は、その変更していない旨と、登記期間を過ぎている旨をお伝えすると、S税理士法人のY税理士は「分かりました。複数社の会計参与顧問先がありますので、今回は額が大きいので他の複数の司法書士の先生にもご意見もお聞きします。予めご了承ください。」と。「先生は開業したてだから、実務は知らないんでしょ?

これぐらいの事、ベテランの司法書士だったら、何とかするよ」と言われている様でした。

わざわざ、私の事務所と法務顧問契約をS税理士法人は締結したのに、この言われ方は

甚だ心外で、すぐさま「内容証明郵便」にて、「契約解除」の通知をしました。本来の税理士なら、その旨をきちんとY税理士が顧問先の会社に謝罪して、「過料」も負担する旨の申し出をするのが、「士業」の姿だと思います。それを「ベテランだったら何とかできる」という、悪しき発想をお持ちの時点で、私は士業として認めるべきではない、と思いました。

追記ですが、このS税理士法人が私の事務所の確定申告をする前だったので、他の税理士さんにお願いしたら、「先生、こんな申告内容したら、来年から大変になるよ。」とご助言頂き、当時は会計については、全くわかりませんが、現在では知識は少しはございますので、

見直すと、減価償却を一切していない、という酷いものでした。

「人脈で何とかできる」という浅はかな悪しき知識のY税理士は、ご健在です。

②司法書士から仕事(登記案件)を紹介した対価として接待を要求するハウスメーカーの営業マン

こちらも数年前までは、司法書士の仕事の取り方として、一つの方法だったようです。しかし、「倫理規則」が出来、そもそも、ご依頼者から、業務の報酬として頂いているお金を

なぜ、仕事を紹介してもらった対価として、接待をしなくてはならないのでしょうか?

「倫理規則」がなくても、ご依頼者さんに対しての重罪とも言えると私は思っております。

その私が出会った営業マンは、先輩営業マンが、そのような司法書士と付き合いがあったから羨ましかったのでしょう。この行為は俗に言う「紹介料」又は「バックマージン」です。

見つかると、則懲戒処分です。今でも噂は聴きます。本当にこのような悪しき慣習で仕事を取っている司法書士には、ご退場願いたいものです。

もうひとつ、意見が錯綜すると思いますが、司法書士自身が事務所、住宅をそのハウスメーカーで建てたら、その後、仕事(登記業務)を貰えるというものです。

これこそが「タブー」でしょうかね。

私は、これも疑わしいと思います。

もし、必要として建てるタイミングで、そう言った話になれば、大丈夫だと思いますが。不必要に事務所、住宅を建てると、日本の金融制度の罠にハマるので、気を付けたいものです。