―『モノ』を言う‼闘う若手司法書士からの進言―第2回

昨年の7月1日に相続法の大きな改正がありました。その一つとして、「遺留分減殺請求権」から「遺留分侵害額請求権」に変わりました。何が変わったかと言いますと、「遺留分減殺請求権」は、「遺留分権者」が「遺言書」の内容を、ある意味『根底から変更させる(ぶっ壊す)』効力を持ったものでした。よって、多くの法律家は「遺留分減殺請求権」を侵害しない「遺言書」の提案をしてきました。でも、そもそも遺言される方は生きている間に

「遺言書」を作成しているのに(ご自身の財産であるにも関わらず)、承継させたくない相続人に一番に気を遣って、「遺言書」の内容を考えるのは、おかしいと思うのは私だけでしょうか?

この強烈な効力が改正され「遺留分侵害額請求権」となり、「侵害額」とあるので、その金額すなわち金銭等を「遺留分権者」は、請求できることになりました。「遺言書」の内容を破壊させる効力自体は、幾分弱くなりましたが、以前として「遺留分権者」という立場が

法律上認められていて、現実を目の当たりにすると特に変わっていないのかもしれません。

私の経験談ですが、たくさんの土地(田畑)をお持ちの方の相続に関わる事がありました。

きちんと「公正証書遺言」で、ご長男に全て相続させる旨を遺されて他界されました。なぜ、

ご長男に全てかというと、先にご主人が亡くなった相続の際に、ご長男さんは、弟、妹に

財産を承継させてあげたからだそうです。弟さんは、それをいい事に色々、散財し、無計画な事業を立て、失敗し、この度亡くなったお母様にお金を頻繁に無心していたようです。

よって、公正証書遺言通りに私は相続登記を致しました。ほぼ、不動産が中心の遺産承継でしたから、妹、弟は、やはり「遺留分」の話をしに来て、結局、代々引き継いできた土地の一部を売却して、お金を弟、妹に渡すことになったようです。

この話の弟、妹は、その後、登場します。

遺言をする人に、「脅して、遺言させる」「騙して遺言させる」推定相続人の行為は民法上においても「相続欠格」に該当して、相続人としての立場を失います。

日本国憲法に「平等」という言葉が使われております。明治時代の大日本帝国憲法とは違う、「全て平等」という意味ではありません。それは、日本国憲法によって「実質的平等」

「形式的平等」「機会の平等」等、解釈論によって最高裁判所がそれぞれの事象に応じて使い分けています。

日本国憲法をここで、私が述べるだけで、多くの意見が寄せられるかもしれません。それこそ、国民のための憲法であるのに「タブー」が多いのは、なぜでしょうかね。