おまけ:マリンの部屋にようこそ!その3

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今回は「おまけ:マリンの部屋にようこそ!その3~難しいお話、真凛が解説します~」です。

ドラマの幕間で、難しい話とかを主人公の緑野真凛が解説するというコーナーで、時々不定期に登場します。

今回も、マリンの部屋に招かれて、甘いお菓子と砂糖入れ放題のコーヒーを飲みながら、お気軽にお楽しみください。

今回は、このドラマの中で重要な意味をなしている「認知」について考えてみたいと思うのですが、やはりここでも「身分」と「財産」とが民法上ではゴッチャにされていることに根本的な問題があるということですね。

不動産の所有者が亡くなった場合、相続登記という手続きをするのですが、もし亡くなった人が何の対策もしていなければ、国が勝手に決めた「法定相続人」全員の共有という状態に自動的になってしまいます。

もちろん、その「全員」の仲が良いのであれば、事後に「遺産分割協議」をすれば、法定相続の割合以外の分け方とか、財産ごとに分けあったりしても構わないのですが、その際には全員の実印に印鑑証明書を付けた「遺産分割協議書」が必要です。

そうなりますと、法定相続人の中の一人でも認知症とか行方不明とかであれば、協議ができないということですから、大変困った事態に陥ります。

もちろん、裁判所の手続きを使えば、絶対に無理ということではないのですが、多大な時間と費用の無駄となることでしょう。

さらに、不動産の相続登記をする場合には、亡くなった人の幼少時からの戸籍を全部付けて、法定相続人が誰であるかを証明する必要があり、こちらも大変な手間と時間を要することになります。

その点、遺言書があれば、相続登記の際に遺産分割協議書や印鑑証明書、そして過去の戸籍なども付ける必要がなく、簡単に申請することができますから、その意味でのメリットは大きいのです。

もちろん、親愛信託による受益者交替の登記も同じで、いずれにしても法定相続人に関与させることなく手続きを進められるということですね。

次に、認知した子がどのような感じで戸籍に載るかです。

もちろん、母の戸籍には普通に「子」として記載されますが、問題は父の戸籍の方で、実は他の子たちとは違って、「身分事項」という、いろいろな事が書かれている部分に混じり込んで書かれることになり、一般の人が一見しても分かり難いというのが現実なのです。

さらに、父が転籍と言って、本籍地を移動させた場合には、その「身分事項」の認知の部分は転記されないことになっていますので、現在の戸籍では気付かず、過去の戸籍を見て初めて判明するという事態も考えられます。

それから、認知した子は「非嫡出子」という変な呼ばれ方をするのですが、明治以来ずっと、非嫡出子の法定相続分は「嫡出子」の半分とされていました。

ところが平成25年(2013年)になって、最高裁判所が「違憲判決」を出して、すぐに民法も改正されて、法定相続分は同じとされました。

このように、100年以上も「当たり前」と思っていた法律でも、違憲判決で一瞬にして覆るということが何度もあるのですから、法律専門家は覚えておいていただかないといけないと思います。

ちなみに、第二次世界大戦後に違憲判決は10回ほど出ており、これは決して少ない回数ではないと思われませんでしょうか?

しかし、よく考えてみると、本当は法定相続制度自体、特に「遺留分制度」は明らかに日本国憲法の趣旨に合致しておらず違憲だと思うのですが、これを言う人は今は誰も居ないのが不思議でなりません。

今回のお話は難易度3としておきます。

次回以降も、ご期待ください。

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次回予告です。

次回は「第1章第6話「特別室」~老紳士の真実の巻~」です。

遂に中川清之助老人の正体が判明することになります。

お楽しみに!!

 

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