リネージュ(Lineage)

~二つの会社と三つの家族の愛情物語~

おわりに

リネージュ(Lineage)、如何でしたでしょうか?

この新潟合宿の課題は、主人公である中村綾香の複雑すぎる生い立ちばかりではなく、中小企業の企業再編や事業承継が絡んでおり、かつあまり大きな事件が発生するという設定でもなく、“三部作”の中で最も課題の内容が難しかったので、ドラマ化するにあたって相当に悩んだものです。

そこで思い出したのが、かつての大阪在住時に経験したことのある“メジロ鳴き合わせ事件”でした。

事件の詳細はここでは申せませんが、あるお客様と一緒にメジロ鳴き合わせ会に参加して、実際に多数のメジロが集まって鳴き合わせをしている現場、それを妨害しようと街宣車で押し寄せてくる“鳥獣保護団体”を名乗る怪しい組織、警察の手入れが始まって連れ去られてゆくメジロたち、メジロは“勝手に竹籠に戻ってきた”という後日談、事件を報じるテレビのニュース番組、そして今で言う“反社会勢力”と思われる方々のメジロ愛などなど、様々な事実を見聞きしたものです。

大阪で司法書士のような仕事をしていると、本当にいろいろな“人には言えないような経験”をするものなのですが、まさか今になって役立つとは夢にも思いませんでした。

また、付き合っている若いカップルの親同士が先に結婚してしまうというのも、これは知人から聞いた話ではありますが、実話なのです。

ですから、そのことを聞いた時の娘や息子の気持ちは、一応は分かった上で書けたと思っています。

そして書き進んで行くうちに、合宿課題では登場していない新キャラクターである大宮侑璃や双葉梓なども活躍するようになり、どうにか起承転結のあるドラマに仕上げることができました。

この作品も電子書籍化が既に決まっており、11月には発売できると思います。

また予告しますので、是非ご購読ください。

前作「Beautiful Dreamers」は、電子書籍化されて、より多くの方々に読んでいただいているみたいで、有難く思っています。

ところで、本作では難しい企業再編の話が出てきており、実は複数の読者の方から“もう少し説明して欲しい”との要望が出ています。

そこで、次回作連載が始まる10月1日までの間に、“リネージュ番外編”として、S社とN社がどのように企業再編に向かって行ったか、本作で登場する銀行の提案と行政書士双葉梓の提案との比較検討などを2回に分けてミニ連載したいと思っています。

次回連載までの箸休めとして、ドラマの余韻を楽しんでいただければと思います。

リネージュの連載、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

※勝手に表紙を作りました。

LINE社やAGE社からの許可は取っていませんので、公式には使えませんが・・・。