●資産を持つ者や会社を経営する者には
「高貴なる責任(noblesse oblige)」が課せられます。
もちろん、それは家訓や経営理念といった観念的な部分もありますが、
目に見える部分としては「守るべき財産」ということになります。
具体的には、大切にしてきた不動産や金銭などの個人財産や
経営しておられる会社の株式などが、それにあたるでしょう。
当然ながら、財産は所有者のものですから、
普通の人が所有する普通の財産であれば、所有者がどう扱おうと自由です。
ところが、「高貴なる責任」を負っている人が所有する財産は、
必ずしも「財産は所有者のもの」とは言い切れないのです。
財産を次世代に引き継ぐ方法には、実は様々な手法があり、
詳細は追ってご紹介しますが、
これは「リスクマネジメント」の一つでもあり、
少なくとも「何もしない」という選択肢は有り得ません。
「何もしない」ということは、
「高貴なる責任を放棄する」ということです。
いやしくも大切な財産を所有する紳士淑女たる者は、
決してそのような無責任な行為をしてはならないのです。
河合保弘