しらしんけん/何日君再来
~一途な愛と変わらぬ情熱の物語~
はじめに
この物語は、これまで電子書籍化されました“Beautiful Dreamers”“リネージュ”に続く、合宿研修の課題ドラマ化三部作の完結編で、“リネージュ”と同じく、4年前の2016年9月24~25日に、大分県別府市で開催された合宿で出題された課題がベースになっています。
“しらしんけん”。
これは、大分弁で“一生懸命”というような意味です。
“伝説のレーサー”蛯沢省吾が、若き日に理想の女性である“レースクイーン”愛子と出会ってしまったばっかりに、以後30年以上にわたって、周囲のいろんな人々が運命の渦に巻き込まれてしまいます。
しかし、渦に巻き込まれてしまった人たちも、それぞれに運命を受け入れながら、力強く生き抜いていきます。
それは、誰もが皆“しらしんけん”だったからこそなのでしょう。
“何日君再来”。
昭和世代の方々はご存知かも知れませんが、古い歌謡曲のタイトルで、“何時あなたは帰ってくるの?”というような意味です。
出会いがあれば別れがあり、一度は立ち去ってしまう人もいるでしょう。
でも、いつか帰って来て欲しい、もちろん元の姿そのままでなくてもいいから。
そんな切ない気持ち、儚い願いを抱えて生きている人たちもいるでしょう。
物語は、この二つのキーワードを底流に置きながら展開して行きます。
私にとっては詳しくない世界なのですが、改造バイクという共通の趣味が、人と人の強い信頼関係を作り出して行くという部分も、このドラマの特徴の一つかも知れません。
また、この物語には、このシリーズでは初めて、中国でのシーンが登場します。
せっかくなので、中国語のセリフの部分には発音記号を入れておきましたから、真似して発音してみられるのも面白いかも知れません。
もちろん、これまでの2作品同様、会社に関する部分では、また金髪の行政書士が登場して、結構な難しいスキームとかが提案されますが、その部分はあまり気にしていただかなくても、彼女の仕事のやり方や人となりも含め、ドラマとして楽しめるように作りました。
合宿研修の課題ドラマ化三部作は、とりあえずこれで完結ですが、別の課題も沢山ありますから、また機会があればドラマ化してみたいと思っていますので、これからもよろしくお願い申し上げます。
それでは、日本一のおんせん県おおいた、別府市を舞台とする“しらしんけん/何日君再来”の世界へ。
お楽しみください。