マリンの部屋番外編:5分間動画シリーズの解説第5回

第5回の解説よ!

今回は「空き家問題」。

これって、今や社会問題になってるわね。

もちろん政府や行政も対策を講じてはいるけど、空き家になっちゃってからの事後の対策しかできてなくて、なかなか抜本的な解決にはなっていないの。

実はここでも、何かと問題の多い「強過ぎる所有権」が邪魔していることと、「田分け」になっている今の相続制度が一つの大きな原因になっていて、その解決法として親愛信託が使えそうだから、マリンが解説することにしたのね。

そもそも空き家問題とは?

この「約850万戸」という数字には、一時的に空いている賃貸住宅とか、季節的にしか使わない別荘とかも含まれているんだけど、それにしても相当数の空き家が存在していて、それが日々増えているのは間違いないのね。

一方では高層マンションとかが次々と建設されてて、お部屋の数は増えているんだから、何だか矛盾を感じるわ。

で、空き家になって何が困るかって言うと、倒壊の危険から近所迷惑までいろいろあるけど、何よりも時間の経過と共に状況が悪化して行くばかりってことが問題なんだと思うの。

そしてもっと根本的な問題は、その空き家にも、誰だか分からなくても何処かに「所有者」が居て、強力過ぎる「所有権」が存在しているので、国も行政も誰も手を出せないまま、状況が悪化して行くのを見ているしかないってことなんじゃないかしら。

人口問題と空き家、実はとっても関係が深いのよ。

日本は超高齢社会って言われてるけど、そうなることは50年以上前から分かっていたのね。

だって、出生数が1947年は約270万人だったのが、2020年には約85万人になっていて、かつ出生率は年々低下して平均寿命は伸びているんだから、そんな社会になるってのは普通に考えれば気が付く現象の筈なんだけど、何故だか今まで誰も言わなかったの。

そして、人口が年々減って行くのは誰の目にも明らかなのにも関わらず、相変わらず新築の建物を作り続けてたんだから、高齢者世帯も空き家も増えて当然だよね。

さて、人口問題はともかく、空き家になってしまう具体的な原因だけど、大きく分けて法律上の問題と流通上の問題の二つあると思うの。

法律上の問題としては、ある意味では「諸悪の根源」とも言える、民法の所有権と法定相続という、かつて国が勝手に決めた規定が一番大きな原因になっているのね。

例えば高齢者の人がマイホームに住んでいて、いずれは老人ホームとかの施設に入所したいと思っていたとした場合、実際に認知症になってしまうと、マイホームを売る手続きができないから空き家になっちゃうって訳。

それと、例えば夫婦が共有名義でマンションを買ったとか、親からの相続を複数の兄弟で受けて不動産を共有名義にしたとかの場合、共有者の一人でも認知症や行方不明、あるいは意見が合わないとかの事態に陥ったら、不動産全体が売れない状態になるの。

さらに相続で揉めてしまって、亡くなった人の名義のままではやっぱり売ることはできないし、最悪の場合に全員が相続を放棄してしまったら、もうどうにもならなくなるわね。

これらは全て、民法上の「所有権」の力が強過ぎるのが原因だと思うの。

次に流通上の問題だけど、不動産業者さんも商売だから、時価が安くて手数料の低い物件を積極的に売ろうとはしてくれないでしょうし、また日本人はマイホームに執着があるので最後まで売りたくないって気持ちが働くみたいで、なかなか空き家やその予備軍が不動産流通市場に出てこないみたいなんだけど、それも無理はないかも知れないよね。

空き家の原因を断つ方法だけど、まず法律的な問題については、少なくとも一定範囲での予防は可能だと思うのね。

みなさんは親愛信託を知っているから分かると思うんだけど、親愛信託を使ったら、元々の所有者が認知症になっても、何人の共有であっても、受託者の名義で不動産の売買は可能になるし、相続ではない財産承継ができるんだから、最も適切な人に不動産の受益権を承継させれば、揉めることもなく適切に管理や処分をしてもらえるってことでしょ。

空き家と共に社会問題になっている「所有者不明不動産問題」っていうのがあるの。

それは、何回かの相続が繰り返されて、何人もの相続人が存在しているのに、相続の登記をしないから誰が責任を持つのか分からなくなっている不動産が、実に九州全部くらいにあたる面積ほどもあって、国の事業とかを進めることへの妨げとなっていることを言うんだけど、それの解消のために相続の登記を義務化して、登記しない人には罰則を与えようっていう法改正がなされるみたい。

でもね、これってそもそも「田分け」になってしまう法定相続制度自体に問題があるんだから、登記をしたからって解決することじゃないと思うんだけどな。

その意味でも、親愛信託は責任の所在が明らかになる仕組みだし、「所有者不明」にもならないんだから、とっても有力な法律的予防策になるのよ。

ただ、いくら法律的に予防を施したとしても、「売れない」という問題だけは解決できないわね。

買い手が付かないという問題は確かに深刻ではあるけれど、一方では田舎の一軒家とか低価格の不動産を買いたいというニーズは少なからず存在しているし、リモート社会になって行けば今後は地方移住とか増えそうな感じもあるので、これは要するに流通市場を作り出せれば解決することなのではないかと思うの。

最後に「売りたくない」問題だけど、リースバックという仕組みを使えば解決ができるかも知れないね。

これは、不動産を売却してお金を受け取った後、買主との間で賃貸借契約を結んで住み続けるって仕組みなんだけど、普通のやり方では所有権が移転されて名義が変わってしまうから、そこに抵抗を示す人が多いらしいのね。

そりゃ、せっかく苦労してローンを払って手に入れたマイホームを手放したくない気持ちは分かるわ。

そこで親愛信託の中の「究極奥義」、自己信託の登場となるの。

自己信託とは、委託者と受託者が同じ人だから、つまり名義を変えないで、受益権だけを売却することが可能になるのよ。

この仕組みの詳細については、説明時間が必要なので割愛するけど、興味のある人は直接聞いてね。

そういったことで、空き家問題は親愛信託の専門家と不動産の専門家とが組めば、ある程度は予防できるってことを、是非知っておいて欲しいの。

ではまた明日!

※ゴーストタウン!こうなっちゃわないうちに予防だよ、予防!!