二次元セミナー~親愛信託活用マニュアル講座~第45回

P194~197:「親愛信託事例1-15共有状態解消信託」から(初版版ではP190~193)

【この手法で対応できる問題】

不動産が相続などの理由で共有状態になっている場合、民法の制度では共有者全員が合意しないと売却などの意思決定ができず、当然のこと手続きもできないことになっています。

これがまだ共有者が数人のうちは良いのですが、やがて法定相続となって共有者はネズミ算的に増えて行くということを考えれば、早く手を打っておくに越したことはないと思います。

そこで親愛信託の「集約機能」の出番となるのです。

【事案の概要】

まさに漫然と法定相続にしてしまい、何も考えないで不動産を三兄弟の共有にしてしまったという典型的なケースです。

何度も申し上げていますが、今の日本人は「民法の呪縛」に踊らされており、自分の財産なのにも関わらず、どうしてか法定相続制度に違反してはいけないと思い込んでしまい、遺言すらしないまま放置する傾向があります。

「公平」「平等」という言葉がありますが、法定相続で機械的に財産を分けるのは公平でも平等でもなく、本当は大きな不公平であり不平等になってしまうばかりか、将来に向けてのリスクを自ら作り出してしまう愚挙、まさに「田分け」であることを、もっと国民に知っていただきたいものです。

しかし、ここでも頭の固い民法学者が邪魔をしに来て、「日本国憲法には平等原則があるので相続人は平等でなければならない」という、はっきり言って「嘘」を駆使してまで法定相続制度を死守しようとしていますので、ここでも鬩ぎ合いが続くことになるのでしょう。

でも、最後は財産所有者ご自身の強い意思があるか否かの問題なのですから、正しい情報を提供して、誤った思い込みを捨てていただくよう仕向けるしかないと思っています。

【親愛信託以外の方法を利用した対策】

親愛信託以外で典型的な提案は、会社を作って不動産の所有権を移転しようというものです。

確かに会社に所有権を移転すれば名義は一本化されますが、この提案には数々の問題点があります。

まずは、不動産を売買するには資金が必要で、言ってみれば自分の財産を売買するために借金をするというような本末転倒の事態が生じることがあります。

また所有権を移転すれば、それに伴う税金は容赦なく課せられることになり、譲渡所得税、不動産取得税、登録免許税等々を合わせると物件価格の何割もの税金が発生し、しかも現金で納付しなければならなくなるのです。

さらに、不動産の名義は一本化したとしても、株式会社が所有者になるのであれば、当然に株主が複数ということになりますので、そうすると権利の分散が不動産ではなく株式で起きることになるだけという、何のメリットもない結果となります。

大変申し上げにくいことなのですが、このような提案は融資をする金融機関と仲介をする不動産業者、それから手数料を取る専門家だけが潤うものですから、騙されないようにしていただきたいと思います。

【親愛信託を利用した提案】

非常にシンプルに、親愛信託の「集約機能」を活用するために、共有者3名が新たに設立した一般社団法人を受託者とする信託契約を行って、名義のみを集約しています。

ここで、例えば長男Aが受託者となって、三人の共有持分を信託するという方法は取り得るでしょうか?

そうすると、委託者兼受益者がABC、受託者がAという三つの信託が発生することになりますから、Aの部分は自己信託となり、1年ルールで信託終了という事態となります。

不動産の共有持分というのは、不動産という「モノ」は一つだけなのに、「権利」は複数あるという状態ですから、このケースでは全く別個の権利が3つあり、それぞれ別々に信託行為を行うということなのですが、そのあたりを勘違いしてしまっている専門家も存在するようですから、気を付けてください。

一般社団法人を設立するとなると大層な感じを持たれる向きもあるかと思いますが、このケースのように2億円もの財産があるのであれば、一般社団法人を一つ持っておくと、親愛信託以外にも様々な使い道がありますし、また一般社団法人は非営利型にしておけば、さほどの経費はかかりませんから、お薦めすべき仕組みであると思っています。

【親愛信託を利用するメリット】

一度名義集約をしてしまえば、以後は受益者が死亡しても受益権が移動するだけで、不動産自体の名義は変わらず、単に利益を分ける対象が増えるというだけになります。

ただ、ここで気を付けておかなくてはならないのが、受益権は民法上の相続の対象にならないということです。

例えば信託契約はしたものの、自分の次の受益者を決めていなかった場合、知識の薄い専門家は受益権の行方を遺産分割協議で決められると思っているようですが、信託法の考え方においてはそうではなく、受益者が存在しない信託となってしまいますので、必ず二次受益者を決めておく必要があります。

また、信託を死亡終了にしてしまうと、受益者の死亡で再び共有物に戻ってしまいますから、絶対に避けなければなりません。

このように、共有物対策の信託は、単純そうでいて意外と論点が多いので、やはり自信のない専門家は回避している感じがしますが、実際には必要性の高い仕組みではないかと思います。

不動産が共有になっているケースは、相続に限らず、例えば夫婦共同で購入したマイホームなどもよく見られて、その場合には住宅ローンや抵当権が絡んできますし、さらに最近多い離婚のケースなどでは複雑化しますので、親愛信託による事前対策を考慮すべきであると思います。

それでは、また明日。

(つづく)

≪本日の学習ポイント≫

  • 共有状態となっている不動産を放置しておくと、ネズミ算的に共有者が増えてしまう。
  • 「相続人の平等」などという概念は、日本国憲法の何処にも書かれていない。
  • 株式会社を設立して所有権を移転する方法はデメリットの方が多く、採用すべきでない。
  • 二次受益者を決めていない信託契約は絶対に避けるべきである。

雑感

全く意味のない「感染者数」で大騒ぎする異常事態は全く収まる気配もなく、このままだと日本社会全体が「見えないお化けへの恐怖心」だけによって崩壊、日本経済は破綻することになりそうです。

さすがにそれでは困るので、最近では少しだけマトモな意見を言う人の言葉が取り上げられるケースも出てきているのが、僅かな救いです。

これは、「菌」の専門家である、チチヤス乳業株式会社・野村慶太郎社長の意見です。

https://ameblo.jp/gemmare2011/entry-12616331717.html

これはマトモな意見を言っておられる医師のブログです。

https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E7%8F%BE%E5%BD%B9%E5%8C%BB%E5%B8%AB-%E6%81%90%E6%80%96%E3%82%92%E7%85%BD%E3%82%8B%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%82%92%E6%B6%88%E3%81%97%E3%81%A6-%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF%E5%A4%96%E3%81%AB%E5%87%BA%E3%82%88%E3%81%86/ar-BB185gjI?ocid=msedgdhp

同じ医師の方の意見です。

https://president.jp/articles/-/36958?page=3

いずれも極めて正しいのですが、こういった正論が世間に広がると困る学者さんや政治家さんが居るので、おそらく「少数意見」として闇に葬って処理してしまいたいのでしょうね。