二次元セミナー~親愛信託活用マニュアル講座~第40回

P175~177:「親愛信託事例1-10承継者選択型信託」から(初版版ではP171~173)

【この手法で対応できる問題】

このあたりから、いわゆる法定相続人を外す形の信託になってきて、まさに携帯電話で言うとアプリを入れて動画を見る、失敗したらウイルスに感染するかも知れない、という位のハイレベルな使い方に入ってきますので、信託法の理解に自信のない方や、例の判決に関するデマを信じておられる方は避けておかれた方が安全なのではないかとも思いますが、本当はこれを使いこなせなければ「信託の専門家」などと名乗ってはいけないという、ある意味での関門であると思います。

【事案の概要】

前配偶者との間の子、認知した子など、現時点での「家族」ではない者が存在しており、その人たちが民法の世界では一律かつ一方的に「権利」だけを持っているというケースです。

ずっと昔に戸籍から抜けている子に相続権があると思わないのが普通の人の感覚ですから、この事実を専門家に言わないまま手続きが進んでしまい、いざ相続となった時に初めて戸籍調査で相続人が増えるというケースは少なくありませんが、それは最初に依頼者から正しい情報を得られなかった専門家の責任であると思います。

民法における相続は、あくまでも所有権などの財産上の権利と、借金などの財産上の義務しか対象としていませんから、例えば家族として親兄弟の世話をする、夫婦として互いに協力するといった、財産上ではない「義務」は完全に無視されます。

つまり、貰える財産は同じなのですから、それなら親孝行などはしない方が得、嫌いになっても離婚しないで籍だけ残しておこう、などという危険な発想、言い換えれば非道徳的な思考を作ってしまうということであり、まさに民法のダークサイドであると思います。

よく「権利ばかり主張して義務を果たさない」として攻撃されている若者などが居ますが、親兄弟や配偶者の世話もしないで相続財産だけを「平等」に寄越せというのは、まさに権利を振り回すことであり、そちらは民法が許しているどころか、法の力で応援しているのですから、全くおかしな話です。

しかし残念ながら現行民法はそのような制度になっていますし、さらにまずいのは、そのような道徳的に誤った内容の民法を、あたかも金科玉条のように奉っている学者や法律専門家がまだ多く存在していることだと思います。

彼らにとって、親愛信託は自分たちの金科玉条を侵しに来る大悪党なのでしょう。

そして彼らは、何としてでも親愛信託を潰そうと画策しているようですが、善良な国民は実際に変な相続が起こってしまうまで制度の問題点には気付かないのですから、心ある専門家は善良な国民のために、是非とも親愛信託を学習し、社会道徳的に誤った民法の相続制度を打ち破っていただきたいと願っています。

【親愛信託以外の方法を利用した対策】

遺言と生前贈与、せいぜい生命保険くらいしか対策はないと思いますが、遺言には遺留分請求、生前贈与には税金と持戻しという、「悪役側」に有利な制度があって抗えないですし、生命保険は遺留分請求こそ封じられるとしても、このケースでは不動産があり、それには対応のしようがありません。

【親愛信託を利用した提案】

このケースでは、音信不通である前妻の子には財産を渡したくないが、認知した子には少しは渡したいというニーズですから、配偶者を受託者としながら、二次受益者の中に認知した子を加えるというスキームを作っています。

ここで注意しなければならないのが、前にもお話しましたように、受益権とは一体化した一つの権利になりますので、二次受益者に受益権が承継される際には、契約が一つであれば同じ受益権を共有する形での承継しかできません。

そのため、このケースでは最初から契約を複数にして、ある契約の対象となっている金銭信託の受益権を認知した子に承継されるという契約上の工夫が必要となります。

もちろん契約書を複数枚にしても良いのですが、1枚の契約書の中で複数の信託契約を並立させるという作り方もあり、ここは専門家の腕の見せ所になると思います。

そして、親愛信託は当然するとして、このケースは現預金が多くありますから、生命保険の併用は考慮に入れるべきです。

ただし、生命保険の受取人は、このケースであれば財産全体の主要承継者となるCさんにしておくのが通常で、変に主要承継者以外の子などを受取人にすると、その分は相続財産以外の「受取人固有の財産」として渡されてしまうので、注意が必要です。

【親愛信託を利用するメリット】

これは、重ねて申すまでもなく、民法では絶対に不可能な仕組みを、親愛信託と生命保険という、民法とは異なる法律でもって作り上げているのですから、メリットはあってもデメリットは皆無と言い切っても間違いではないでしょう。

それでは、また明日。

(つづく)

≪本日の学習ポイント≫

  • 法定相続人を財産の承継者から除外する仕組みこそが親愛信託の神髄である。
  • 義務を果たさない者の権利を過剰に保護する民法は、社会道徳的に誤っている。
  • 生命保険は、親愛信託との併用でさらに効果を増す素晴らしいツールである。
  • 生命保険の死亡保険金受取人は、必ず財産の主要承継者を指定すべきである。

雑感

以前にお話ししました、私と世間とを繋いできた唯一のメディアである「東京スポーツ」に電子版ができて、「eSHINBUN」https://www.e-shinbun.net/というサイトでダウンロードできると知ったので、今日から電子版にしてみました。

それこそ今日の本文にもあるように、アプリをダウンロードして、ウイルス感染しないかと心配しながら、半分以上は意味の分からないカタカナの説明を一生懸命読んで、しかも数回失敗した末に、遂に閲覧に成功、我ながらたいした進歩だと思いました。

しかし、やはり長年にわたって紙新聞で生きてきた昭和の人間にとっては、パソコンの画面で見る新聞には違和感があり、なかなか慣れそうもありませんが、紙資源の節約にもなりますし、幾らかでも安くもなりますので、暫くの間は試してみようと思っています。

しかし、駅前まで東京スポーツを買いに行くという運動の日課がなくなってしまうので、ますます引き籠りになってしまいそうですが。